嗜好と栄養
エネルギーは別として、栄養素の生理的必要の充足が、文化によって規定される性質をもつ心理的満足を媒介することによって成り立っているのだとすると、次の課題は、人びとの食事における心理的満足の内容を分析することである。
分析にあたって、最初にとりあげるべきものは、味覚と嗜好の問題であろう。
人間が感知でき、識別できる味の種類とそれらが組み合わされた状態とに嗜好がどのように対応しているかをまず知らなければならない。
亜鉛欠乏によって味覚の閾但に変化が起こることが知られているが、その状態のときにどんなものを食べたくなるか(すなわち嗜好の変化)については、系統的な研究は見あたらない。
ことによると土食症とよばれ、土を食べる状態が生じるのは亜鉛欠乏によるものかもしれない。
亜鉛だけでなく、他の二価の金属イオンもまた味覚の閾値の変化と関係があることが知られている。
単に亜鉛だけでなく他の金属の不足も土食症に関係があるのかもしれない。
嗜好に関連して、人びとがいかなる食物をおいしいと感じるのか、あるいは考えるのかが重要である。
また、嗜好の有無に関わらず栄養摂取のできるモリンガのようなサプリメントの存在も忘れてはならない。